こんにちは、元小学校教員・現役学童保育指導員のススメちゃんです。
保育園では遊んでばかりだったので、小学校でちゃんと授業が聞けるか心配です。
近年、メディアでもよく取り上げられるようになった「小一プロブレム」。我が子が入学してから困らないように、今のうちにできる限りの対策はして、小学校に送り出してあげたいですよね。
そこで今回は、小一プロブレムの実態や危険性、今からでも間に合う対処法を紹介していきます。
小一プロブレムとは?
以前、当ブログでも紹介した「小一の壁」とは、保護者が直面する問題でしたね。その一方で、小一プロブレムとは、子ども自身が小学校に入学した途端に直面する問題のことを指します。
小一プロブレムの例
- 授業中45分間座っていられない(立ち歩いてしまう)
- チャイムが鳴っても部屋に戻ってこない
- 先生の指示が入らない
- 係や当番活動ができない
- 宿題が習慣化されない
入学時には容易に想定される姿ですが、この姿がなかなか改善されないことを小一プロブレムと呼びます。
小一プロブレムの原因
それでは、いったいどうして子どもたちが小一プロブレムに直面してしまうのでしょうか。
幼稚園・保育園と小学校とのギャップ
ズバリこれに尽きます。
近年、自治体ごとに少しでもそのギャップがなくなるように「幼保小連携」が強化されています。それでも、やはり「あそび」中心の生活から「勉強」中心の生活にガラッと変わってしまうことが、子どもには大きなストレスになっているのです。
コロナ禍で小一プロブレムが深刻化している
これまでは、お友達とワイワイ過ごせる休み時間や給食は、勉強の合間の楽しいひとときでした。
しかし、その時間さえもコロナ禍で少なくなってしまい、学校へ行く意味や楽しさが激減してしまったのです。緩和されてきているとはいえ、まだまだ黙食やマスクは小学校でも言われ続けています。
2023年5月にはコロナウイルスが「五類」に引き下がり、以前のような楽しい時間が戻ってくることを願っています。
小一プロブレムが及ぼす危険
学力低下
授業に集中できないと、どんどん遅れを取ってしまうので学力低下に繋がります。宿題も進まなくなってしまうので、寝るのが遅くなったり、親子関係がギスギスしたり、生活習慣も乱れていく恐れがあります。
自己肯定が低くなる
先生の指示が入らなかったり、授業中の離席が多くなったりすると、どうしても怒られる回数が増えてしまいます。
周りの子からも「あの子は悪い子」のイメージが強くなってしまい、お友達関係もうまくいかなくなります。こうなってしまうことで、どんどん自己肯定感が低くなってしまうことも…。
周りの子の学力低下
授業中一人が立ち歩いてしまうと、その影響を受けて本来頑張れていた子の集中力も切れてしまいます。そうすることで次第に学級崩壊と呼ばれる状況へ…。授業が進まなくなると、クラス全体の学力低下に繋がる恐れがあります。
不登校・登校拒否
そして結果的に、「学校が楽しくない」「行きたくない」になってしまうかもしれません。
小一プロブレムを防ぐためにお家でできること
もちろんこれらの危険性は、教員の指導力不足が原因であることも多いですが、だからと言って見過ごせるものではありませんよね。少しでも小一プロブレムを軽減・改善するために、おうちでできることを紹介していきます。
子どもとの関係づくり
子どものつまずきにいち早く気づいてあげるためには、日々の関わりが重要です。その日にあったことを聞いてあげる時間を毎日数分でも良いので必ず作ってあげたいところ。それがどれだけ理不尽で理解できないような内容だったとしても、我が子に寄り添って聞いてあげてください。
否定したり、怒ったりしてしまうと、「もうママには話したくない」と今後どんどん嬉しかったことや悲しかったこと、困っていることを話してくれなくなります。気軽になんでも話せる関係性であることが、小学校入学後のつまずきに気付きやすくなるのです。
パパさんママさんの仕事での失敗談を子どもに話すと、「大人だって失敗するんだ」と子どももいろいろなことが話しやすくなりますよ。
生活リズムを整える
園バスがない幼稚園や保育所では、遅れて登園しても問題ありませんが、小学校ではそうはいきません。怒る先生もいるでしょうし、勉強の遅れにも繋がります。今のうちから朝は決まった時間に起きる練習をすることが大切です。
また、朝ごはんを抜くと、脳のエネルギーが不足して集中力や記憶力の低下などに繋がります。(農林水産省)しっかりと、朝ごはんを食べさせてから送り出してくださいね。
お手伝いをしてもらう
掃除当番や給食当番など、あまり気が進まないような役割を「自分達のことは自分たちでやる」とたくさん担わされるのが小学校。おうちでも家族のためにお手伝いをして感謝される経験を積んでおくことで、小学校でも抵抗なく当番活動ができたり、困っている子を助けてあげたりするようになります。
ポイントは大げさなぐらい感謝の気持ちを伝えること。そうすることで意欲が向上し、自己肯定感も上がりますよ。
文字や数字への興味を持たせる
「小学校で遅れを取らないように…」と足し算や引き算、漢字の勉強を先取りさせるのはNG。もちろん子どもが意欲的にやりたい場合はやらせてあげてください。
ただし嫌がる我が子に無理にやらせると、「勉強=嫌なこと」になってしまいます。文字や数字に親しみを持って入学することで、小一プロブレムを防ぐことができるかもしれません。
親子のコミュニケーション増加にもつながる、言葉あそびや数字あそびが効果的。
情報を得ておく
いざ我が子が問題に直面した時も、焦らずに「これが小一プロブレムか…」と余裕を持って関わることが大切です。そのために必要なことは情報収集。このブログをここまで読んでいるだけでも十分です。
また後日記事にしようと思っていますが、発達障がいの可能性も視野に入れておくことで、さまざまな角度からのフォローができます。
少しでも気になることや悩んだときは、学校の先生や発達支援センターに相談するのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?我が子が入学後に何に困るかは、担任の先生やお友達など周りの環境によっても大きく変わってくるので、結局のところわかりません。それでも「あの時ああしてあげたら良かった…」と後悔するよりは、今からでも間に合うことはしてあげたいですよね。
小学校で実践されているスタートカリキュラムを親自身も学ぶことで、我が子の接し方を変えるきっかけになるかもしれません。時間があれば一読しておくことをおすすめします。
「スタートカリキュラム スタートブック」(文部科学省)
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